花橘亭〜なぎの旅行記〜平安時代好きの京都旅行記風薫る京都大覚寺<紫の縁>




風薫る京都

〜2007年5月20日〜


紫の縁〜源氏物語の世界〜


●講演「テーマ:舞楽装束に見る源氏物語の世界」
  講師: 藤井 良章 氏 (平安雅楽会 楽師)
舞楽衣裳図  狩衣姿の平安雅楽会の楽師の方、3名が礼拝堂に入られて自己紹介されました。笑顔が素敵な方々でした。

 配布された舞楽装束図をもとにご説明いただき、中心となったのは、各楽器の解説と実演演奏でした。講演会というと難しいイメージがありますが、丁寧な解説で楽しいひとときでした。o(^-^)o
篳篥(ひちりき)…この画像は斎宮歴史博物館にて撮影  篳篥(ひちりき)

 雅楽で使われる管楽器を間近で(しかも室内で)聴くのは初めてのことでしたが、篳篥の音がこんなにも大きいとは思っていませんでした!(°O°;)

 篳篥(ひちりき)を演奏してくださったのが、このご講演の講師を務められた藤井良章氏です。
 清少納言も『枕草子』で篳篥(ひちりき)の音がうるさいということを書いているとお話くださいました。

『枕草子』第205段 笛は より

篳篥はいとかしがましく、秋の虫をいはば、轡虫などの心地して、うたてけ近く聞かまほしからず。

(現代語訳:篳篥は、ひどくやかましく、秋の虫を例にとるなら、くつわ虫などといった気持がして、不愉快で身近には聞きたくはない。

【本文・訳引用】 
『新編日本古典文学全集 枕草子』

校注・訳/松尾聰 永井和子 発行/小学館

 篳篥は主旋律を担当します。
 篳篥の指孔は表に七つ、裏に二つあり竹製で全長18センチです。
 小さいけれどパワフル!

 葦でできているリードはお茶に浸けて適度に湿らせてから使用するそうです。
篳篥(ひちりき)の演奏風景
横笛イメージ・・・この画像は斎宮歴史博物館にて撮影  横笛(よこぶえ)

 ご講演では、数本の横吹きの笛を用意されており、それぞれの音を聴かせていただきました。<確か、龍笛(りゅうてき)や高麗笛(こまぶえ)など様々あったと思います。記憶がおぼろげですみません。>

 笛によって演奏方法が違ったり、葵祭のみに使われる笛があるというようなお話が聞けて興味深かったです。

 現在では、簡単に入手できない笛もあり、大事に使用されているそうです。

『枕草子』第205段 笛は より

笛は 横笛いみじうをかし。

(現代語訳:管楽器は、横笛がたいへんおもしろい。

【本文・訳引用】 
『新編日本古典文学全集 枕草子』

校注・訳/松尾聰 永井和子 発行/小学館
 
 清少納言は、管楽器の中で一番に横笛の良さを挙げています。
龍笛を演奏されている様子
笙(しょう)・・・この画像は斎宮歴史博物館にて撮影  笙(しょう)

 和製パイプオルガンのような感じです♪

 鳳凰(ほうおう)が羽をおさめた姿に似ているといわれています。
 その音は、空から差し込む光のようなイメージです。
 ふわっとした音が心地よいです。

 17本ある竹管は長いものや短いものがありますが、取り外し可能だそうです。

 湿気を嫌う楽器なので、ポータブル電気火鉢(?)で笙(しょう)をあぶって乾燥させておられました。

 内部を乾燥させないと良い音が出ないそうです。




 『源氏物語』や『枕草子』では、「笙の笛(さうのふえ)」と書き表されています。



『枕草子』第205段 笛は
 より

 笙の笛は、月の明かきに、車などにて聞き得たる、いとをかし。

(現代語訳:笙の笛は、月の明るい折に、自分の乗っている車の中で聞くことができたのは、たいへんおもしろい。

【本文・訳引用】 
『新編日本古典文学全集 枕草子』

校注・訳/松尾聰 永井和子 発行/小学館


笙
笙(しょう)の演奏風景


鳳凰


楽器のみの画像 斎宮歴史博物館で撮影した展示品。 撮影:なぎ(HP管理人)
楽器の演奏風景 午後からの舞楽鑑賞にて撮影した画像。 撮影:くたくたさん・なぎ




楽しいお話をありがとうございました!!ヽ(^o^)丿


ご講演で気持ちが満たされたら、次はお腹を満たしに移動です。
嵯峨寮1階の昼食会場へ向かいます。三 (/ ^^)/


長袴で階段を下りるのは転びそうで大変です。(笑)



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