『花橘亭』「平安時代好きの京都旅行記」初春の京都風俗博物館



初春の京都
〜2007年1月17日〜


ふうぞくはくぶつかん
風俗博物館


4、歳暮の衣配り 『源氏物語』<玉鬘>より

〜女君達の装束紹介〜


源氏香・玉鬘

歳暮の衣配り

源氏35歳の年の暮れ、女君たちにふさわしい正月用の装束を調えます。
それは、女君それぞれの年齢・容貌・性格に合わせたものでした。


明石の姫君 明石の姫君:細長(ほそなが)姿

桜の細長に、つややかなる掻練(かいねり)取り添へては、姫君の御料なり。


細長とは:
高貴な女性が平常に着たやや改まった装束で、袿(うちき)や小袿(こうちき)の上に着用した。
女性の若々しさや幼さを象徴する装束であったことが窺える。
明石の御方 明石御方:小袿(こうちき)姿

梅の折枝、蝶、鳥飛びちがひ、唐めいたる白き小袿に、濃きがつややかなる重ねて、明石の御方に。


小袿とは:
高貴な女性が平常に着た代表的装束。身丈ほどの袿で、晴れの装束であった。
末摘花 末摘花:袿(うちき)姿

末摘花の御料に、柳の織物の、よしある唐草を乱れ織れるも、いとなまめきたれば、
花散里御方 花散里御方:袿(うちき)姿

浅縹の海賦の織物、織りざまなまめきたれど、匂ひやかならぬに、いと濃き掻練具して、夏の御方に。


夏の御方=花散里御方
玉鬘 玉鬘:細長(ほそなが)姿

曇りなく赤きに、山吹の花の細長
空蝉:袿(うちき)姿

空蝉の尼君に、青鈍の織物、いと心ばせあるを見つけたまひて、御料にある梔子の御衣、聴し色(ゆるしいろ)なる添へたまひて、

聴し色=平安時代に表された紅花で染める薄い色。淡い紅色。


女君達が装束を着装している様子はこちらをご覧ください。
(2004年 岩神座ホール<風俗博物館出張展示>にて撮影)



5、生ける仏の御国〜六條院の新春 梅の花に競う薫香〜へ




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