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風俗博物館
6、歳暮の衣配り
『源氏物語』「玉鬘」より
源氏35歳の年の暮れ、秋に落成した六條院の春の御殿において、各町の御殿に住まわせている女君達にふさわしい正月用の晴れ装束を紫の上と共に調えました。 (青文字=レジュメより) |
紫の上(春の御方)⇒ 小袿姿 紅梅のいと紋浮きたる葡萄染(えびぞめ)の御小袿(こうちき)、今様(いまよう)色のいとすぐれたるとは、かの御料、 |
明石の姫君(春の御殿寝殿に住まう) ⇒ 細長姿 桜の細長に、艶やかなる掻練(かいねり)取り添へては、姫君の御料なり。 |
花散里(夏の御方) ⇒ 袿姿 浅縹(あさはなだ)の海賦(かいふ)の織物、織り様(おりざま)なまめきたれど、にほひやからなぬに、いと濃き掻練(かいねり)具(ぐ)して、夏の御方に、 |
玉鬘(夏の御殿に住まう) ⇒ 細長姿 曇りなく赤きに、山吹の花の細長は、かの西の対に奉れたまふ |
末摘花(二條東院に住まう) ⇒ 袿姿 かの末摘花の御料に、柳の織物の、よしある唐草(からくさ)を乱れ織れるも、いとなまめきたれば、 |
明石御方(冬の御方) ⇒ 小袿姿 梅の折枝(おりえだ)、蝶、鳥、飛びちがひ、唐(から)めいたる白き小袿に、濃き艶やかなる重ねて、明石の御方に、 |
空蝉の尼君(二條東院に居住) ⇒ 袿姿 空蝉の尼君に、青鈍(あおにび)の織物、いと心ばせあるを見つけたまひて、御料にある梔子(くちなし)の御衣(おんぞ)、聴色(ゆるしいろ)なる添へたまひて |