『花橘亭〜なぎの旅行記〜』「平安時代好きの京都旅行記」新緑の京都風俗博物館



風俗博物館


3、平安朝の年中行事 十五日粥<七種粥>
『枕草子』より


十五日粥

 十五日粥(じゅうごにちがゆ)とは、一年中の邪気を払う為に正月十五日の朝食べる粥のことで、米の他、粟(あわ)・黍(きび)・稗子(ひえ)・篁子(みの)・胡麻(ごま)・小豆(あずき)の七種類の穀類を使った粥なので、「七種粥(ななくさがゆ)」とも呼ばれる。また、十五日は満月(望月)であることから、「望粥(もちがゆ)の節供」とも言います。

青文字はレジュメより引用。)




姫君と婿君




『枕草子』<三巻本>第三段より

 あたらしうかよふ婿の君などの内へまゐるほどをも、心もとなう、所につけてわれはと思ひたる女房ののぞき、けしきばみ、奥の方にたたずまふを


 姫君の背後には粥杖を持ち、すきをねらっている女房の姿があります。




 邪気払いの十五日粥を作るために、神聖な火を起こした薪の燃え残りの木を削って作った「粥杖(かゆづえ)」で子どもがいない女性の尻をたたくと子宝に恵まれる、あるいは男性の尻をたたけばその人の子を宿すなどといって、粥杖をもってお互いに隙を狙って打ち合って戯れている様子が記されています。




粥杖(かゆづえ)を手にしています。




 襖の向こうでは、婿君の参内装束<束帯>の用意があわただしく進められています。

 写真は冠(かんむり)を運ぶ女房。








参内の準備をする女房たち




4、女房の日常へ




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