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本尊 普賢菩薩像(ふげんぼさつぞう)
普賢菩薩とは、法華経を受持(じゅじ)、読誦(どくじゅ)、書写した人を守護するため、東方の浄妙国土(じょうみょうこくど=清く優れている国)より六牙の白像に乗って現れた菩薩である。(博物館レジュメより)
七僧の法服など、品々賜はす。物の色、縫ひ目よりはじめて、きよらなること、限りなし。おほかた何ごとも、いといかめしきわざどもをせられたり。
(行道の七僧の法服など、それぞれ身分に応じて紫の上がお与えになる。法服の染色や、仕立て方をはじめとして、美しいこと、この上ない。だいたいどのようなことに対しても、紫の上は実にご荘厳な法会を催された。)
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紫の上が仏道にまで通じていらっしゃることを感心している源氏の君。
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寝殿西側の塗籠(ぬりごめ)にいる紫の上。
画像にマウスカーソルをあてていただくと、拡大した紫の上がご覧になれます。 |
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楽人、舞人などのことは、大将の君、取り分きて仕うまつりたまふ。
(楽人、舞人などのことは、大将の君が特別にお世話を申し上げなさる。)
大将の君=源氏の息子・夕霧。
画像左に立っているのが夕霧です。 |
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画像上:明石御方
画像下:花散里御方
(それぞれ画像にマウスカーソルをあててみてください。)
花散里と聞こえし御方、明石なども渡りたまへり。
(花散里と申し上げた御方、明石なども二條院にお越しになった。)
北の廂に、方々の御局どもは、障子ばかりを隔てつつしたり。
(北の廂に、御方々のお席は、襖障子だけを仕切って設えてあった。)
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紫の上は、今上帝と明石の中宮との子・三の宮(のちの匂宮<におうのみや>)を使いにして和歌を明石御方に届けます。
紫の上
「惜しからぬこの身ながらもかぎりとて
薪尽きなむことの悲しさ」
(惜しくもないこの身ですが、これを最後として薪の尽きることを思うと悲しうございます。)
明石御方
「薪こる思ひは今日を初めにて
この世に願ふ法ぞはるけき」
(仏道へのお思いは今日を初めの日としてこの世で願う仏法のために千年も祈り続けられることでしょう。)
紫の上は、花散里御方とも歌を贈答します。
紫の上
「絶えぬべき御法ながらぞ頼まるる
世々にと結ぶ中の契りを」
(これが最後と思われます法会ですが、頼もしく思われます。生々世々にかけてと結んだあなたとの縁を。)
花散里御方
「結びおく契りは絶えじおほかたの
残りすくなき御法なりとも」
(あなた様と御法会で結んだ御縁は未来永劫に続くでしょう。普通の人には残り少ない命とて、多くは催せない法会でしょうとも) |
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ほのぼのと夜が明けていく朝ぼらけの中で陵王(りょうおう)の舞が始まりました。
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落蹲(らくそん)
蘭陵王(らんりょうおう)とは番舞(つがいまい)となります。 |