『花橘亭』「平安時代好きの京都旅行記」[桜咲き誇る京都]風俗博物館



風俗博物館
2006年上半期展示

3、女房の局〜女房の日常〜

 夏の盛りの日、あまづら(シロップのようなもの)の中に氷を浮かべて食する女房たち。

 氷は氷室で保管されている貴重なものでした。

 女房たちは単(ひとえ)かさねを着ています。単はその名のとおり裏地のない一枚だけの布地ですので、夏を過ごしやすい装いです。
 清少納言の『枕草子』第40段 あてなるもの(=高貴なもの)に

 削り氷(けずりひ)に甘葛(あまづら)入れて、あたらしき鋺(かなまり)に入れたる。

とあります。

<「新編日本古典文学全集18 枕草子」/校注・訳:松尾聰 永井和子/小学館発行>より
 画像上の女房は歌を詠んでいるのでしょうか。物語を書き写しているのでしょうか。



 画像下の女房は、伏籠(ふせご)の用意をしています。

 伏籠とは、香炉の上に籠を伏せ、その上に装束をかけることで、装束に香りをうつすためのものです。


4、女楽<若菜下>よりへ




『花橘亭』「平安時代好きの京都旅行記」[桜咲き誇る京都]風俗博物館