『花橘亭』「平安時代好きの京都旅行記」春は名のみの京都



風俗博物館

3 三日夜(みかよ)の餅の儀
≪東の対東廂にて≫

三日夜の餅の儀

沓を運ぶ女房  平安時代は婿取り婚でした。
夜になると、婿である夕霧は供人を連れて妻となる雲居雁の家<内大臣家>の寝殿にあがります。
 階(きざはし)にに脱がれた夕霧の沓(くつ)は、雲井雁の両親に届けられ、両親はこの沓を抱いて寝ます。


 写真は沓を運ぶ女房。
 夕霧…直衣姿

 夕霧〔婿〕が妻となる雲居雁の家に通い、3日経った後、「露顕(ところあらわし)」という儀式を行い、公に夫婦と認められます。
夕霧
 御帳台(みちょうだい)に入る夕霧〔婿〕と雲居雁〔妻〕にかける衾(ふすま)を用意する女房たち。


 衾(ふすま)=掛け布団…この時代には正方形と直垂(ひたたれ)型のふたつの形がありました。

 写真は正方形の衾。
衾覆いを用意する女房たち
御帳台  御帳台(みちょうだい)

 夕霧と雲居雁の寝室となります。(*^_^*)
左:雲井雁(くもいのかり)

小袿(こうちき)姿です。
雲井雁と女房
女房 灯台と女房
 
 灯台や燈籠の火は、婚儀が成立するまでの三日間、邪気をはらう為に絶やさず灯し続けられました。
 結婚三日目の夜は、三日夜(みかよ)の餅が饗されました。この餅を婿は、噛み切らずに食します。 三日夜の餅を用意する女房たち
三日夜の餅  三日夜(みかよ)の餅
 東の対 東廂を北から見たところ。 東の対 東廂


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