『花橘亭』「平安時代好きの京都旅行記」春は名のみの京都



風俗博物館

6 紫の君の髪削ぎ(かみそぎ)
〜賀茂祭りの物見〜

≪寝殿北廂にて:「葵」よりニ條院西の対と見立てる≫

源氏香 葵


紫の君の髪削ぎ

源氏22歳(近衛右大将)の4月の中の酉(とり)の日

源氏はニ條院の西の対に住まう紫の君(14歳)のもとを訪ねました。
 源氏と紫の君は賀茂祭<かもまつり=現在の葵祭>の“路頭(ろとう)の儀”を見物に行く約束をしていたのでした。
 “路頭の儀”とは、勅使一行と斎院が賀茂社に向かう行列の儀式です。

 源氏は常にも増して美しく見える紫の君の髪に目をとめ、かき撫でた源氏は暦(こよみ)の博士を呼び、日や時刻のよしあしを調べさせて髪削ぎ(かみそぎ)を行うことにしました。
<風俗博物館レジュメより>

暦の博士  暦の博士

 髪削ぎを行うのにふさわしい日や時刻を調べます。
 髪削ぎの用意をする女房 女房
源氏  髪削ぎを行う源氏

 冠直衣(かんむりのし)指貫(さしぬき)姿

 紫の君の豊かな黒髪を切り揃えることに苦労しながら「千尋(ちひろ)」という祝い言葉を口ずさみ、紫の君の髪の豊かさに末永い願いを祈って和歌を詠んだ。
 削いだ髪の受け箱を持った女房

 蓋に檀紙を敷き、櫛を一枚いれたものを用いています。
受け箱を持った女房
源氏と紫の君  源氏と紫の君
紫の君  髪を削がれる紫の君
14歳♪
 紫の君は碁盤の上に座っています。
 衣架(いか)に掛けられた細長(ほそなが)


 床に置かれた袿(うちき・五衣(いつつぎぬ)・単(ひとえ)。
 紫の君に仕える女童たちは先に髪削ぎをされました。

 女童(めのわらわ)たちは、正装の汗衫(かざみ)姿です。闕腋袍(けってきのほう)・衵(あこめ)・表袴(うえのはかま)・濃長袴(こきながはかま)・濃小袖(こきこそで)からなります。


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